将軍ちゃんの空想記

ふと思ったことを書き留めていく場所です.もし誰かの共感が得られたら幸せですね.

レールのない世界へ

 

決断力 (角川oneテーマ21)

決断力 (角川oneテーマ21)

 

 

もうすぐ研究室配属の時期ですね.

そこで,はじめのエントリでは,「研究室に入るってどういうこと?」という視点から思ったことを書き連ねてみようかなと思います.

研究室に入ると何が変わる?

いきなり結論から述べると,研究室に入るということは,レールのない世界を歩み始めることだと考えています.研究室に入る学生のほとんどは,小中高と学校教育を受け,大学に入学した後に研究室(ゼミ)に配属され,卒業研究に取り組むことになります.
この,小中高大というプロセスは,いわば決まりきったレールのようなものです.学費を払って教育を受けるという条件はあるものの,真面目に勉強し,大きな転機がなければそのまま先に進むことが出来る.それは確実ですが多様性はありません.
しかし,研究室に入るとそこには違う世界が待っています.未だ明らかにされていない物事の探求,そして研究室独自のカルチャーという不確かな存在が待ち受けています.
研究とは,出口のない迷路を進み続けるようなものです.自分の進んでいる道が本当に正しいものなのかどうかは誰にも分からない.しかし,先人たちが残していった「これは間違っている」「これは正しそう」といった印がつけられている道もあるから,全くヒントがないわけでもない.迷路の中でいったん休むのも,別の迷路に取り組むのも個人の自由です.
さらに,研究室は小さいこそあれ,確実に一つのカルチャーを形成しています.個人の能力とは別に,研究室のカルチャーに馴染めるかというのも大きなポイントです.優秀な成績を収めていた人でも足元をすくわれるかもしれないし,逆に成績でぱっとしなかった人がすごい成果を上げることもあります.

理不尽との付き合い

つまり,今までよりも運の要素が強くなってくる世界だということです.必ずしも努力した量や費やした時間に比例して報われるとは限りません.
そんなのは理不尽だ,と思う人がいるかもしれません.確かに理不尽な話です.個人の努力に意味が無いのなら,頑張って勉強する意味などないのですから.

しかし,です.
この世の中,決まりきったレールを歩くなどということはむしろ稀です.
スポーツ選手はその最たる例です.彼ら,彼女らは同じように活躍する周りの選手たちと常に凌ぎを削り合っています.シーズン中に成績が振るわなかったら,あるいは故障で動けなくなったら次年度は同じような生活を送るわけにはいかなくなります.そのプレッシャーたるや,想像だに余るものがあります.
では,そういったシビアな世界になぜどっぷり浸かるのかといえば,自分を成長させたい,誰もやったことのないことをしたい,自分の力を試したいといった動機があるからだと考えられます.それ以外に生きる道がなかったという切ない理由もあるでしょうが…….
要は,手探りのままに新しい道を切り開いているのです.

皆さんも経験があるとは思いますが,理不尽は避けて通れないものです.それは生きている以上仕方ないものだと諦めるしかありません.真面目に向き合って解決するものでもないです.
ただ,一つの物事にじっくり取り組む時間を買えるというのは,とても貴重な機会であることは確かです.あまり研究テーマに関心が湧かなくとも.せめて時間の使い方ぐらいは考えてみて損はないでしょう.

誰も知らないことを明らかにしたい,レールのない世界を早く歩んでみたいという方は,ぜひ研究の道を切り開いてみてはいかがでしょうか.
逆に,そういった探究心があまりない人でも,これから生きる上で必要になる「理不尽に対処する力」を養ってみるのは悪くないのではないか,と考える次第です.
受け身になるのではなく,戦略的に考えるのは大事だと思いますよ.